心理学では人間の精神構造を氷山にたとえて説明しています。すなわち水面上に出ている部分が顕在意識であり、水面下の巨大な部分が潜在意識なのだということです。この巨大な働きを持つ潜在意識は人間の行動に多大な影響を及ぼすエネルギーです。これを適切な状態で利用するならば、われわれは不安や緊張といった負の状態から解放れ、豊かな精神力を発揮することが可能になります。
顕在意識は脳の新しい皮質(大脳新皮質)の働き、潜在意識は古い皮質(大脳辺縁系)、の働きと考えらており顕在意識は、運動神経感覚神経と関係しており運動や感覚の情報を収集、分析など行い行動する。そして、潜在意識は過去の記憶、感覚的印象すべて保管されていて、自律神経系と関係しており、自動的にからだの内部を調整する機能があり、意思や努力とは、無関係ですが、感情と深い関係があります。たとえば、ある出来事により、ある感情(ストレス)が起こり、爆発的、もしくは持続的に自律神経系(特に交感神経)に働きかけることにより、身体に悪影響(ストレス症)を及ぼしす。
催眠状態とは、ひとことで言うのは難しいのですけど、顕在意識が薄れ潜在意識が現れた状態(トランス状態、もしくは変性意識)です。催眠というと意識がなくなって、何もかも忘れてしまったり、何かをさせられたり、催眠に対する恐れみたいなものを感じますが、実際は、反対で、周りのこと、自分のこと、すべてわかっています。そして、催眠に入るのも、出るのも、すべて選択は、被験者にあります。被験者とのラポール(信頼関係)を築き心の深度が催眠の深度です。朝起きてすぐの状態や、夜睡眠に入る前の状態、お酒を飲んで酔っ払っているときやおもしろいテレビを観ているときも催眠状態なのです。「私は催眠にかかったことがない」「催眠にはかからない」という人<がいますが、本当は毎日何度も催眠にかかっているのです。催眠状態に入っても意識がはっきりしているので、最初は催眠状態に入っている事を信じられない人も多いくらいで、嫌なことは拒否できます。
われわれ人間は思考することにより顕在意識のもとでのみ行動していると考えがちですが、実際は顕在意識層の下に潜む潜在意識層が大きな影響を与えあるいは支配をしています。この潜在意識層へのコンタクトを可能にし、コントロールしていく方法が催眠法であるといえます。そして、 “催眠”には、他人から一定の手続きにより暗示にかかりやすい状態に導かれ、暗示を与えてもらうという方法の“他者催眠”と、自分自身で暗示に反応しやすい状態に導き、自己暗示を与える方法の“自己催眠”があります。そして、“催眠”には、“ショー的催眠”(テレビで行われている)と“催眠療法”(治療目的)があることを忘れてはなりません。





